2017年9月1日金曜日

般若心経の解説 その6

是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中

まず訳から言うと、「諸々の法は空相にして、生ぜず、滅せず。垢つかず、浄からず。増さず、減らず。この故に空の中にすべては存在するのだ。」となる。訳を見て字を見ると、漢字のまま訳せば良い事が分かるだろう。

法は法律のイメージが強いせいか、人間の作った決まり事というイメージが浮かぶと思うが、この場合は自然現象を指す。昔は法と言えば、自然の摂理と言うか、自然現象の事だった。空相も聞きなれない言葉だが、人相は聞いた事があるだろう。良い人相は分からないが、悪い人相だけは誰でも分かるなんて言ったりするが、その人相である。それを空にしたものが空相だ。是諸法空相は、諸法は空の外見を持つと言っている。



Q.なぜ不生不滅なのか?
質量保存の法則が成り立つのだから、当然である。新しく生じたり、滅したりしては質量が変わってしまう。しかし、現実は質量保存が成立するのだから、不生不滅は当然となる。


Q.なぜ不垢不浄なのか?
人間は垢は汚いものだと思い、風呂で体を洗ってスッキリする。だが、垢は本当に汚いものだろうか?空と言う視点に立てば、人間も空が一時形を得た姿であるし、垢も空が一時形を得ただけなのである。空からすれば、垢に汚いという概念すらなく、人間と同じ空の一部なのである。垢を汚いのは、人間がそう感じているから。空からすれば人間が無い処に勝手に悩みを作ってるとも言える。

垢に汚いという概念が無いのだから、当然逆の浄まるという概念もないという話となる。


Q.なぜ不増不減なのか?
これも質量保存が成立するゆえ。


Q.是故空中とは?
空という概念の確認となる。空は無いようで、すべてを含んだものだ。すべてを含んでいるから、空が一時形を得る事があり、それが色と呼ばれる。例えば、人間は自分の体は自分のものと考えているが、空という概念からは、体は借り物というイメージがそぐわしく、神様からの貸衣装などと表現されたりする。

空は形なきがゆえに、一時形を得る事がある。しかし、元々形が無いのだから、また空にもどる。世の中に存在する全ての物は仮の姿なのであるというイメージを、是故空中といって確認してると思えば良いのではと思う。





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