2017年9月22日金曜日

孫子の兵法 兵勢編その4

4、激水の石を漂わすに至るは勢なり。

孫子曰く。「激水が岩をも漂わすに至るは、その勢いによるが故である。猛禽が獲物を捉えるは、その節によるが故である。このように勢い険しく、節を短くするが戦上手の戦い方である。勢は弓の弦を引くがごとし。節は弓を放つがごとし。」

「激水の石を漂わすに至るは勢いなり」の言葉通りの意味だ。そのまま勢いが大事と説いている。加えるなら、節というタイミングの事も指摘している。節を短くとは、静から動へ変わるタイミングを短くという意味で、猛禽のように瞬発的に攻めるのが大切と言っている。下のダムの放水の画像を見て欲しい。要はタイミングを計って、一息にこのような勢いで攻めろと言っているわけだ。目の前で放水されたなら、その勢いを防ぐ手段があろうか?戦もかくのごとし。如何なる知恵も勢いには及ばない。



また、画像の放水は何故勢いを得たのかも考えて欲しい。それは、水を溜めてから放水したからである。本当なら川となって下に流れていくであろう水を、ダムを作りとどめた。ダムという準備があってこその勢いと言える。つまり、孫子は事前準備の大切さをも説いているのである。以上、まとめると、「激水の石を漂わすに至るは勢いなり」は、万全の態勢を整えて、タイミングを見て勢いに乗れという教えとなる。

仕事で考えて見よう。仕事でもチャンスが無いと嘆くばかりの人がいる。だが、しっかり万全の態勢は整えているだろうか?今チャンスが回ってきたとして、貴方はそのチャンスに一気に乗れるだろうか?

チャンスが無いと嘆く必要はない。どんな人間にもチャンスはいずれ回ってくる。嘆く人には信じれないかも知れないが、人生は長い。会社の落ちこぼれが、一気にトップランナーに変わる話を聞いた事がないだろうか?腐らなければ、時代の変化でどんな人間にもチャンスが回ってくるものだ。だから、「腐るなよ。腐ったら終わりだから。」と言われる。

チャンスに関しては、来たかどうかより、チャンスが来た時に勢いよく乗れるかどうかが肝要となるのである。日々自己研鑽に励み、チャンスが回ってきたときに一気に勢いづけられるようにしたいものだ。(人でも会社でも同じ)

何故勢いが大事か?それは目立つからである。人の印象に残るからである。印象に残ると、次頼みやすい。単純に考えて行こう。会社で言えば、商品のライフサイクルが数年と短いのに、勢いなしでどうやって捌くのか?言わずもがなである。

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