2、守らざる所を攻める。
孫子曰く。「その必ず赴く所に出て、その意わざる所に赴く。行く事千里にして労せざるは、無人の地を行けばなり。攻めて必ずとるは、その守らざる所を攻むればなり。守りて必ず固きは、その攻めざる所を守ればなり。故に善く攻むる者には、敵、その守る所を知らず。善く守る者には、敵、その攻むる処を知らず。微なるかな微なるかな、無形に至る。神なるかな神なるかな、無声に至る。故に敵の司命たり。」
【解説】
敵の赴く所には必ず駆けつけ、敵の思いもよらない所を行軍する。千里の道を行軍しても疲れないのは、無人の地を行けばこそ。攻めて必ず勝つは、守りの薄い場所を攻めればこそ。守りが必ず破られないとすれば、敵が攻めにくい場所で守るからこそである。
攻め上手は、敵の守らざる所を攻めるが故に、敵はどう守って良いか分からなくなる。守り上手は、敵が攻めにくい所で守るが故に、敵はどう攻めて良いか分からなくなる。相手に狙いを悟らせぬ事に用兵の妙があり、姿も見えず、音も聞こえぬなら、まさに神がかりと言えよう。その時、敵の命運は自在自由となるのである。
孫子曰く。「その必ず赴く所に出て、その意わざる所に赴く。行く事千里にして労せざるは、無人の地を行けばなり。攻めて必ずとるは、その守らざる所を攻むればなり。守りて必ず固きは、その攻めざる所を守ればなり。故に善く攻むる者には、敵、その守る所を知らず。善く守る者には、敵、その攻むる処を知らず。微なるかな微なるかな、無形に至る。神なるかな神なるかな、無声に至る。故に敵の司命たり。」
【解説】
敵の赴く所には必ず駆けつけ、敵の思いもよらない所を行軍する。千里の道を行軍しても疲れないのは、無人の地を行けばこそ。攻めて必ず勝つは、守りの薄い場所を攻めればこそ。守りが必ず破られないとすれば、敵が攻めにくい場所で守るからこそである。
攻め上手は、敵の守らざる所を攻めるが故に、敵はどう守って良いか分からなくなる。守り上手は、敵が攻めにくい所で守るが故に、敵はどう攻めて良いか分からなくなる。相手に狙いを悟らせぬ事に用兵の妙があり、姿も見えず、音も聞こえぬなら、まさに神がかりと言えよう。その時、敵の命運は自在自由となるのである。
一見して、当たり前の事が書いてある。守らざる所を攻めれば勝ちやすいだろうし、攻めにくい場所で守れば負ける可能性は低くなる。そして、それが出来るのが戦上手である。それはそうだろう。言わずもがなである。しかし、それはそうだよねと流してはいけない事は注意して欲しい。なぜなら、実際にこれを徹底して守れているうか?この点をしっかり見直しておきたい話となるからだ。
勝ち安きに勝つのが勝負の鉄則である事は知っていても、実際にそれが出来ているかは別の問題だ。当たり前だからこそ真理であり、当たり前だからこそ難しさがあり、当たり前だからこそ言うや安しとなりがちである。そのため、どうしたら守らざる所を攻めれるのか?どうしたら攻めにくい所で守れるのか?脳みそに汗をかくつもりで存分に考えろと言うのが、言葉の裏に隠れた大切な教えとなる。
仕事でも、当たり前の事はたくさんあるだろう。例えば、愚痴は言わないほうが良いとか、笑顔が良いとか。愚痴を言わない、笑顔が良いと言えば当然の話だが、貴方は飲み屋で愚痴を言っていないだろうか?常に笑顔を心がけて、場の雰囲気を良くしているだろうか?当たり前は難しいのである。
孫子に言わせれば、この当たり前を徹底してこなせる人が優れた人材という事になる。当たり前の事を当たり前にこなせる人間こそ、優れた人材なのである。そして、欲を言えば、無形で無声、つまり誰にも気づかれることなくだ。本当にいい仕事は轍すら残さない。
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