4、先ず勝ちて、後に戦う。
孫子曰く。「実際の戦闘が始まってから、勝利を模索する者は勝てない。予め勝利への準備を整えている者だけが勝利を得る。最初から負けている者と戦えば、勝てるのは道理である。だから、優れた君主は政治を革新し、法令を整備し、勝利への道筋を整えるのである。」
これは戦術上の勝利は、戦略上の勝利でほぼ決まるという教えである。だから、戦略面で勝利を決めてから、実際の闘いをすると言っている。これまで勝敗は勝負の前に決まっていると度々説明してきたが、今回もその確認となる。
孫子の兵法を理解する時、コスト管理が焦点となっている事を知っておくと良いかも知れない。戦争に何故スピードが大事なのか?何故戦わずして勝つべきなのか?何故勝ち安きに勝つのか?答えは全て同じで、コストを掛けないためである。孫子は戦争にコストを掛けるのは愚策と考えている。そして、それを具体化するためにどうしたら良いかを考え兵法書にまとめた。それが孫子の兵法である。このイメージを知っておくと、彼の言っている事は当たり前の連続になる。
コストを省きたいと考えた時、強い相手と戦うべきだろうか?絶対に勝てるであろう敵と戦うべきだろうか?答えは勿論後者である。だから、先ず勝ちて後に戦うのである。戦略上の勝利は、戦術上ではほぼ覆せないと言った視点の他に、コストにこだわるから故にという視点も持つと理解の助けになるだろう。孫子に言わせれば、戦争はコスト管理なのだ。
また、絶対に勝てる相手と戦うべきとは言え、絶対に勝てる相手ばかりでは無いのだから、現実には先ず勝ちてを実践するための努力を怠るなとなる。絶対に勝てる相手がいない若しくは増やさない事には、絶対に勝てる相手と戦えという教えは、つまり戦わないという事になってしまうのだから。だから、優れた君主は政治を革新し、法を整備するわけだ。
具体的な例として、火事を考えて見る。例えば、何処かで火事があれば、消防車が駆けつけて消火してくれるだろう。そして、その事を近くの住民は感謝するに違いない。大変ありがたい事である。しかし、消防士の仕事が火を消す事ではない。勿論それも含まれるが、本来の消防士の仕事は火事による損害を無くすことである。こう考えて見れば、火事を消火する事だけでなく、火事自体を起こさない事も消防士の担う大切な仕事なのである。
火事が起きなければ、人々は消防士に感謝を伝えないだろう。だが、火事が起きていない状態こそ本来消防士が立派に仕事している事を意味し、実際は感謝して然るべきなのだ。消防士は火事による損害を無くすことが使命なのだから、火事が無いに越したことは無いのである。
さて、この話が孫子とどう関係するかと言うと、火事を起こさない努力が戦略上の勝利で、火事を消火する事が戦術上の勝利となる。火事が起きさえしなければ、消火を頑張る必要はい。火事を起こさせないと言う戦略上の勝利は、火事を消火すると言う戦術上の勝利より大きいのである。孫子に言わせれば、優れた政治家はこの事を良く知っているため、火事自体が起きない法整備に尽力するという事になる。
火を消すのがいくら上手くても、火事自体の絶対数を減らすのとでは、損害の影響は比べようがない。火事が起きれば、大なり小なり損害は出ているのだから。損害を考えれば、火事自体が無いのが一番に決まっている。戦略上の勝利は、戦術上の勝利では覆しづらいのである。(実際は火事の規模にもよるが、大抵は火事の件数が損害と比例する。)
仕事では、人の印象をよくするとか、嫌われない努力を考えても良い。人は結局のところ好きか嫌いかである。好きならば失敗してもしょうがないとなるが、嫌いだと失敗もしてないのに怒られたりする。褒められた話では無いが、現実はこんなものである。では、どうしたら良いか?それは、まずは好かれる事である。嫌われない事である。これが戦略上の勝利だ。
逆に、嫌われた者がいくら仕事を頑張っても、認めてもらうのは難しく、結果を出しても誰でも出来ると言われてしまうのが常だろう。仕事で結果を出すという戦術上の勝利は、好かれるという戦略上の勝利に遠く及ばないのだ。本当は公正に評価を下すべきなのだが、そうはならないのも現実。好かれる努力、嫌われない努力をしているか見直すキッカケとなれば嬉しい。
孫子曰く。「実際の戦闘が始まってから、勝利を模索する者は勝てない。予め勝利への準備を整えている者だけが勝利を得る。最初から負けている者と戦えば、勝てるのは道理である。だから、優れた君主は政治を革新し、法令を整備し、勝利への道筋を整えるのである。」
これは戦術上の勝利は、戦略上の勝利でほぼ決まるという教えである。だから、戦略面で勝利を決めてから、実際の闘いをすると言っている。これまで勝敗は勝負の前に決まっていると度々説明してきたが、今回もその確認となる。
孫子の兵法を理解する時、コスト管理が焦点となっている事を知っておくと良いかも知れない。戦争に何故スピードが大事なのか?何故戦わずして勝つべきなのか?何故勝ち安きに勝つのか?答えは全て同じで、コストを掛けないためである。孫子は戦争にコストを掛けるのは愚策と考えている。そして、それを具体化するためにどうしたら良いかを考え兵法書にまとめた。それが孫子の兵法である。このイメージを知っておくと、彼の言っている事は当たり前の連続になる。
コストを省きたいと考えた時、強い相手と戦うべきだろうか?絶対に勝てるであろう敵と戦うべきだろうか?答えは勿論後者である。だから、先ず勝ちて後に戦うのである。戦略上の勝利は、戦術上ではほぼ覆せないと言った視点の他に、コストにこだわるから故にという視点も持つと理解の助けになるだろう。孫子に言わせれば、戦争はコスト管理なのだ。
また、絶対に勝てる相手と戦うべきとは言え、絶対に勝てる相手ばかりでは無いのだから、現実には先ず勝ちてを実践するための努力を怠るなとなる。絶対に勝てる相手がいない若しくは増やさない事には、絶対に勝てる相手と戦えという教えは、つまり戦わないという事になってしまうのだから。だから、優れた君主は政治を革新し、法を整備するわけだ。
具体的な例として、火事を考えて見る。例えば、何処かで火事があれば、消防車が駆けつけて消火してくれるだろう。そして、その事を近くの住民は感謝するに違いない。大変ありがたい事である。しかし、消防士の仕事が火を消す事ではない。勿論それも含まれるが、本来の消防士の仕事は火事による損害を無くすことである。こう考えて見れば、火事を消火する事だけでなく、火事自体を起こさない事も消防士の担う大切な仕事なのである。
火事が起きなければ、人々は消防士に感謝を伝えないだろう。だが、火事が起きていない状態こそ本来消防士が立派に仕事している事を意味し、実際は感謝して然るべきなのだ。消防士は火事による損害を無くすことが使命なのだから、火事が無いに越したことは無いのである。
さて、この話が孫子とどう関係するかと言うと、火事を起こさない努力が戦略上の勝利で、火事を消火する事が戦術上の勝利となる。火事が起きさえしなければ、消火を頑張る必要はい。火事を起こさせないと言う戦略上の勝利は、火事を消火すると言う戦術上の勝利より大きいのである。孫子に言わせれば、優れた政治家はこの事を良く知っているため、火事自体が起きない法整備に尽力するという事になる。
火を消すのがいくら上手くても、火事自体の絶対数を減らすのとでは、損害の影響は比べようがない。火事が起きれば、大なり小なり損害は出ているのだから。損害を考えれば、火事自体が無いのが一番に決まっている。戦略上の勝利は、戦術上の勝利では覆しづらいのである。(実際は火事の規模にもよるが、大抵は火事の件数が損害と比例する。)
仕事では、人の印象をよくするとか、嫌われない努力を考えても良い。人は結局のところ好きか嫌いかである。好きならば失敗してもしょうがないとなるが、嫌いだと失敗もしてないのに怒られたりする。褒められた話では無いが、現実はこんなものである。では、どうしたら良いか?それは、まずは好かれる事である。嫌われない事である。これが戦略上の勝利だ。
逆に、嫌われた者がいくら仕事を頑張っても、認めてもらうのは難しく、結果を出しても誰でも出来ると言われてしまうのが常だろう。仕事で結果を出すという戦術上の勝利は、好かれるという戦略上の勝利に遠く及ばないのだ。本当は公正に評価を下すべきなのだが、そうはならないのも現実。好かれる努力、嫌われない努力をしているか見直すキッカケとなれば嬉しい。
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