2017年9月18日月曜日

孫子の兵法 軍形編その5

5、勝兵は鎰をもって、銖を称るがごとし。

鎰と銖という見慣れない漢字があるが、これは重さを計る時の単位の事で、鎰は銖の500倍となる。見慣れない漢字で理解しづらいかも知れないが、要は敵の500倍の戦力を集めて戦えば安全に勝てるという事を孫子は言っている。そういう誰が指揮しても勝てる状況を作るよう心がけよと言う話だ。具体的には、以下にあげる5つのチェックポイントを基に戦力を分析し比較していたようだ。


孫子のチェックポイント

  • 国土の広狭
  • 資源の多寡
  • 人口の多少
  • 戦力の強弱
  • 勝敗の帰趨


国土の広さを比べれば、資源の量を予想できる。資源が分かれば、人口を推察でき、人口は兵となるのだから戦力も把握できる。戦力を比べれば勝敗の行方も予見できると孫子は言っている。今は孫子の時代とは変わり無人機が活躍している時代のため、孫子の時代と戦力の把握方法も変わるだろうが、戦力を比べて勝算を検討する姿勢は大いに学ぶべきと思う。

彼を知り己を知り、その上で出来うる可能性をシミュレーションする。その上で戦わずして勝つ方法を模索する。例えば、圧倒的有利な状況だと思うなら、戦争した場合のシミュレーションを映像化し、それを相手のエスタブリッシュメントに見せてみるとかどうだろうか?そのシミュレーションが確かなものならば、脅しの効果も抜群となろう。また、戦力が拮抗しているなら、こういった映像技術が抑止力を発揮すると思ったりする。

と、想像の話はともかくとしても、彼を知り己を知れば百戦危うからずの格言どおりに動くには、まず情報を集める必要がある。情報の大切さ、並びに安全に勝てる状況を作る事の大切さを確認したい。




人間関係で考えて見る。例えば、好きな子に振り向いて欲しいと思った事は無いだろうか?誰しも一度は悩む事だと思う。この問題の良い解決策は、好きな子のほうから近づいてくるようにする事である。孫子は「勝兵は鎰をもって、銖を称るがごとし」と言っているが、この視点に立てば、自分が魅力的な人間になれば、後は安全に落とせるという事になる。如何に口説くかを考えるより、自分が魅力的な人間になる方が効果的だという事だ。

今好きな子とうまく行かないなら、単純に魅力が足りないのである。孫子に言わせれば、それは明らかな戦力不足となる。ならば孫子で言う所の戦力、つまり貴方の魅力をあげるのが明快な解決策となる。好きな子を口説こうと思うより、心を磨き人間的成長を得られるよう頑張るのが一番良いのである。そうすると、好きな子から近寄ってくるし、その子が無理でも自分の魅力にあった別の子が現れる。

好きな子と上手くいかないなら、好きな子のほうに近寄るのを止め、自分はひたすら上に向かって進めば良いだけなのである。「勝兵は溢をもって、銖を称るがごとし」とは、つまりそういう教えだ。孫子は相手の500倍の戦力なら安全に勝てるのは道理と言っているわけだが、言い換えれば、魅力あふれる人ならば安全に口説けるのは道理。孫子の兵法は恋愛でも使えるのだ。

今回は恋愛を例にとったが、社内であれ、友人であれ人間関係は全て同じ理屈である。悩んでいる暇があったら、心を磨く。そう単純に考えたほうが、結果もついてくるだろう。少なくとも孫子はそう言っているようだ。



孫子の兵法から見た恋愛

  • 自分の魅力をあげる = 戦略上の勝利
  • 口説くテクニック  = 戦術上の勝利

戦略上の勝利を戦術上では覆しづらい。
戦略上の勝利を得れば、相手から近寄ってくるのだから。

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