2017年9月1日金曜日

般若心経の解説 その11 全訳




偉大なる知恵にたどり着くための心の教え

観自在菩薩曰く。般若波羅密多を深く知るならば、ありとあらゆる空である事がわかり、一切の苦厄から解き放たれる。舎利子よ。よく聞きなさい。色は空に異ならず。空は色に異ならず。色は即ちこれ空なり。空は即ちこれ色なり。受想行識もまたまたかくのごとし。

舎利子よ。この世の諸法には空の相がある。生ぜず、滅せず。垢つかず、浄からず。増さず、減らず。この故に、全ては空の中に存在するのである。そう考えて見れば、色は無いとも言え、受想常識も無いとも言える。眼耳鼻舌身意も無く、色声香味触法も有るようで無いのである。限界という概念も無く、そして意識界すら無い。明かりが無いという事も無いし、明かりが尽きてしまう事も無い。老死という概念があるわけでも無く、老いて死に尽きてしまうという事も無い。苦しみを集めて滅する道があるわけでも無く、正しい行いをする知恵があるわけでも、何かを得られるという話ですら無いのである。

そして、この世には自分の物にできる物は何一つ無いと知るからこそ、悟りへの道が開かれるのだ。般若波羅密多知るならば、心に罣礙がなくなる。罣礙がないのだから、恐怖する事も無い。ひっくり返った物の考え方や、夢物語を言っているのではないぞ。こうして涅槃に達するのだ。

過去、現在、未来に仏と呼ばれる方は、般若波羅密多によるがゆえに最も理想的な最高の悟りを開かれる。ゆえに知る。般若波羅密は神の言葉なのである。人々の心に明かりを灯す言葉なのである。この上の言葉は無く、並ぶ言葉も無い。これは本当の話で嘘では無い。ゆえに教えよう。般若波羅密の言葉を。今から言うぞ。

羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆詞。般若心経。






0 件のコメント:

コメントを投稿