2017年9月8日金曜日

孫子の兵法 作戦編

1、戦争には莫大な費用がかかる。

孫子曰く。「およそ戦争というものは、戦車1000台、輸送車1000台、兵卒10万、千里の遠方へ糧を送る必要がある。内外の経費、外交使節団を接待、補給と一日1000金かかるものである。」

戦争にはコストがかかるものである。これを無視して戦争は出来ない。ここの所ずっと北朝鮮問題が大きく報じられているが、何故北朝鮮の行動をアメリカが制止できないかと言えば、一つはこのコストの問題がある。アメリカは世界最強とは言え、2か所同時には戦争出来ない。コストがかかりすぎ、今調子のよいアメリカ景気を後退させかねないからだ。アメリカ兵が一人死ぬと8千万からのコストとなり、アメリカ景気にこそ使命を持っているトランプ大統領は、これを無視して陸軍を送りづらいのである。

先日、アフガニスタン増兵が発表されたが、その後に北朝鮮の核実験が行われた事を抑えておきたい。アメリカの兵も無尽蔵では無い。このタイミングでアフガニスタンに増兵するという事は、アメリカは北朝鮮との戦争は考えておらず、対話による核容認に動く事を示唆している。だからこそ、北朝鮮は核実験に踏み切れたのだ。勿論、こんな単純な話ではなく、ワシントンDCの状況、中国の状況その他諸々を考慮してなのだが、アメリカがコストの面も気にしている側面も抑えておきたい。

これを積極的に捉えれば、コストを突く攻撃はとても有効である事を意味し、北朝鮮はアメリカをコスト面で攻めているとも言える。危ない橋を渡っている事に変わりはないが、どうも適格のように見受けられる。

ビジネスで考えれば、ビジネスもコスト無視では成立しない。最近は価格からコストを決めるため、下請け側が価格を上げづらく、それがデフレの原因の一つとなってるという議論もあるようだが、兎にも角にもコストは無視できない。シビアなコスト管理は大切なのは言うまでも無いだろう。コストに無駄がないか見直すキッカケにしたい。他社の低価格戦略に対抗するにも、より利益をあげるためにも、このコスト管理が肝となるのは言うまでもない。



2、兵は拙速を聞く。

戦争はスピードが大事だという事。戦争には大きなコストがかかるのだから、長引けば国は疲弊するばかりである。最悪、戦争には勝ったけど、他の国に攻められ国を失うという事もあろう。それでは本末転倒である。戦争は始めるタイミングも大事だが、止めるタイミングも大事なのだ。早期講和の重要性が説かれる所以である。

悪しき前例として、大日本帝国がある。大日本帝国が何故負けたのか?それは中国に戦線を拡大した事も大きい。実は当時、アメリカから満州を諦めれば他の権益はそのままで良いと講和の話が来ていたのだが、それを大日本帝国は受け入れず中国に戦線を拡大した。結果は敗戦し今に至るわけだ。歴史にもしは栓無き事だが、今そういう議論がされる事はある。

当時の状況としては、尾崎秀実などソ連のスパイが大日本帝国に深く入りこんでいたわけで、ソ連からすれば大日本帝国が中国側に攻め入れば、ソ連側には攻めてこれない事を考えれば、スターリンの意を組んだスパイにまんまと嵌められたのだろう。コミンテルンの敗戦革命という計画から、大日本帝国は中国に傾倒して滅びの道を進んだのだ。

ビジネスでもスピードは大事だ。昔の営業は一つのものを比較的長く売る事ができたが、今は商品がすぐ古くなり売れなくなる場合がある。こうなると、ゆっくり自社で営業を育てる事自体が時代にあわなくって来ている。これは特にIT業界など顕著だ。

では、どうしたら良いか?その一つの答えをアメリカにある。アメリカでは、速やかに集合し物を売ったら解散するような営業集団があると聞く。物がすぐ売れなくなるなら、物を売るだけに特化し、様々な商品を売る会社があれば良い。一気に売って利益を出したら、すぐ次の商品に移る。何ともスピード感のある話である。

この例に限らず、時代は速度を求めている。そう言う事を見直すキッカケにしたい。



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