2017年11月28日火曜日

大祓祝詞(中臣祓詞) その2

4、安國と平けく知ろし食さむ國中に成り出でむ天の益人等が 過ち犯しけむ種種の罪事は 天つ罪 國つ罪 許許太久の罪出でむ

平和で豊かな国にしようと頑張っては見たものの、人間がありとあらゆる罪を犯すのであった。


【解説】

皇御孫命は親神に仰せつかった通り、日本を平和で豊かな国にしようと頑張ったのだが、人間がありとあらゆる罪を犯すので困り果ててしまったと言っている。天の益人とは人間の事で、「天つ罪 國つ罪 許許太久の罪」とは考え付く限りの罪事と言う意味となる。考えてもみて欲しい。今の日本でも、悪い事をする人間は後を絶たないだろう?日夜、警察官が頑張ってはいるが、犯罪はゼロにはならない。そういうイメージだ。

自分が奏上する時は、罪事を心の悩みや苦しみだとしている。日本は豊かな国なれど、人々の心から悩みや苦しみがなくなる気配がない。自然の神々よ、どうかこの悩み苦しみを取り去ってもらえないだろうか?というイメージで奏上している。今、自分を囲む自然にお願いするのだ。




5、此く出でば 天つ宮事以ちて 天つ金木を本打ち切り 末打ち断ちて 千座の置座に置き足らはして 天つ菅麻を 本刈り断ち 末刈り切りて 八針に取り辟きて 天つ祝詞の太祝詞を宣れ

そうして人間が罪を犯すならば、高天原で行われていた祭りをしようではないか。ひのきを上下揃えて切り柱にし、岩の岩盤に打ち立て神宮を建てるのだ。麻を上下揃えて切り、祭祀の服やしめ縄、お祓いの棒を作ろうぞ。そして、大祓祝詞を奏上するのである。


【解説】

この部位は伊勢神宮を言ってると思えばわかりやすい。天つ宮事は伊勢の祭りであり、金木は堅い木の事だが要はひのきだ。千倉の置座はスサノオの置座が筋だが、岩盤の地層だと考えて見て欲しい。伊勢神宮が建てられている場所は、下が岩盤の地層なんだそうだ。菅麻は麻の事で、神主の服は麻製だし、しめ縄も麻である。麻を加工する事を「八針に取り辟きて」と言っている。太祝詞とは、つまりこの大祓祝詞の事だ。

こう考えて見ると、人々の悩み苦しみを取り除くために、伊勢神宮にて祭祀による祭りが始まったととれる。らしいではないか。奏上するときは伊勢の祭りを想像しても良いだろうし、自分が奏上する姿をかぶせてイメージしても良いだろう。自分が大切だと思うのは、人々の悩み苦しみを自然の神々に取り去るようお願いする姿勢である。自分は太陽、樹木、岩、建物と自分を囲んでいる全てを神と見立てお願いしている。






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