2016年4月9日土曜日

げんを担ぐ

読者はげんを担いでいるだろうか?何か勝負ごとをする時にげんを担ぐのは古くからの風習であり、特にエスタブリッシュメント層ほど好むように思う。人事を尽くした後は神にすがって盤石を期すという事なのか、不安を和らげるためか、単に風習だからかは定かじゃないが、彼らの運を自分に引き込みたいという思いの現れなのだろう。そのため、彼らは部下にもげんを担ぎ、げんの良い部下を潜在的に求めている。そこで、げんの良い人材について考えよう。

明るい人材がげんが良いという話がある。どんな苦境にあっても状況をポジティブにとらえる事が出来る人。例えば、何か組織の運命を左右するようなプロジェクトを行うとしよう。組織の長は不安でいっぱいだ。もし失敗したらと頭をよぎったりもする。その時に、このプロジェクトは絶対に成功しますよと、部下として言える人が好かれる。当然の事だと思う。不安でいっぱいだがやらねばという時に、失敗することばかり言われたら気がめいるというものだ。そして、プロジェクトが成功しようものなら、一緒に苦楽を共にしたと感じる部下は勿論自分を励ましてくれたほうだろう。

織田信長だったか、豊臣秀吉だったか、戦国大名の逸話がある。ある時、その大名の処に降伏してきた武将がいたそうだ。その武将の能力は申し分なく優れたものだったので、これは良い武将が来たと周りはみな喜んだそうな。しかし、大名がその武将に以前いた場所について聞いたところ、恨みつらみ、ここが悪かった等ネガティブな話をしたとか。それを聞いた大名はその武将を追い出したと言う。周りの部下たちは驚いて、何故あれほど優秀な武将を雇わないのですか?と聞いた。大名はあんなげんの悪いやつを雇えるかと言ったとかなんとか。

現代でも、以前所属していた組織の悪口をいう事はタブーとされている気がするが、それはげんが悪いという言葉が的を得ているのかも知れない。どんな時も明るくポジティブな雰囲気を心がけたいものだ。そう言う所も重要なポイントとして見られている事を意識したい。

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