2016年4月22日金曜日

幸せの在り処

人間の幸せの在り処は、結果ではなく過程にこそあるのでは無いかという話を聞いた。まずは三輪明宏のラジオの話を紹介しよう。彼女にはヨーロッパの貴族の友人がいて、ある時彼の自宅に招かれた事があったそうな。その時、ヨットのカタログを見かけたので、ヨットを買うのですか?と尋ねたところ、彼は買わないと言う。何故と尋ねたら、ヨットを買おうと思えばいつでも買える。でも、買ってしまったら、そこで終わりじゃないかと言われたそうだ。大金持ちである彼は、ヨットを所有するという事実より、ヨットを買ったら何をしようという想像に楽しみを見出していたわけだ。

この話を聞いて、自分がまず考えたのは、武士道とは死ぬことと見つけたりで有名な葉隠れだ。葉隠れには忍ぶ恋という話もあり、そこでは最高の恋とは永遠の片思いであると言う。恋は達成されねば意味が無いように思うが、片思いのまま思いを募らせる事にこそ恋の真髄があると葉隠れは語っている。

驚いた。ヨーロッパに武士道があったと言えば良いのか、彼も武士道も行き着いた究極は一緒だったと言うのか、どちらもその過程にこそ幸せを見出している。考えて見れば、何もなくてもバリバリ動けた時代が良かったと老人から聞く事もある。とかく物質的な豊かさのみを求めがちだが、それを求めている過程にこそ本当の幸せがあり、ほとんどの人は幸せの中にいる事に気付けていないだけなのかも知れない。

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