2016年6月12日日曜日

あとから来る者のために

「 あとから来る者のために 」  作 坂村真民

あとから来る者のために
苦労をするのだ
我慢をするのだ
田を耕し
種を用意しておくのだ

あとから来る者のために
しんみんよお前は
詩を書いておくのだ

あとから来る者のために
山を川を海を
きれいにしておくのだ

ああ 後から来る者ために
みなそれぞれの力を傾けるのだ

あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
未来を受け継ぐ者たちのために
みな夫々自分でできる何かをしてゆくのだ



【感想】
良い詩だと思う。心に来るものがあった。この詩の途中、しんみんよお前は詩を書いておくのだという部分があるが、見事だ。確かに、この詩から自分は受け取るものがあった。自分は生きてきて、後からくる者のためにと考えた事は無いが、先人から受け継いだものを、後に続くものにしっかり伝えるのは美しい行為のように思う。

この詩を取り上げようと思ったのも、最近趣味の歌を歌っていて思う事があった。村下孝蔵の初恋という曲をラジオで知って、いい曲だと検索にかけたら、村下孝蔵が死んでいる事を知った。その時、自分がこの歌を大事に歌ってあげると思ったのだ。この世を旅立った村下孝蔵に、貴方の歌はまだ生きているぞと言ってあげたい。



---- 以下、余談 ----

ラジオを聴いていたら、ビートたけしの言う馬鹿野郎この野郎は、師匠の深見千三郎譲りである事を知った。深見千三郎は何を言うにも、最初に馬鹿野郎この野郎と言ってから話したそうだ。その癖がビートたけしに移ったとかなんとか。この話を聞いて思ったのが、これは恩返しだなという事。深見千三郎は死んだ。でも、彼はビートたけしの口癖の中で生きている。師匠の口癖を弟子が真似をすることで受け継ぐ。師匠は死んだが、今も口癖のなかで生きている。何とも粋じゃないか。


0 件のコメント:

コメントを投稿