2019年12月2日月曜日

里仁 第四 22

【口語訳22】

孔子先生がおっしゃった。古の時代、軽々しく物を言わなかったのは、言葉に及ばない自分を恥じたからだ。



【解説】

親孝行にこれで十分と言う話はない。例えその時は孝行したと思っていても、後々になってみると、自分の至らなさが目につき、もっとやれたと思えてくる。そういう経験をすると、とても自分を孝行息子と言う気にはなれなくなる。そんな言葉を言ってしまったなら、言葉に及ばない自分が恥ずかしくなるからだ。故に、古人は軽々しく物を言わなかった。例えばこういう話と考えると良い。

一般的に、人は頑張れば頑張るほど、自分の至らなさも分かるようになる。自分の至らなさを感じつつ、大きな事を言えるものでは無い。勿論、頑張るほどに周りの評価は上がる。だが、それとは裏腹に、本人の心情としては謙虚になる他ない。未熟な自分を知りつつ、どうして不遜になれようか。人の成長は稲穂のようのもので、人も稲穂も実るほど頭を垂れる。




【参考】

為政13にても、君子は不言実行とある。

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