2019年12月4日水曜日

里仁 第四 24

【口語訳24】

孔子先生がおっしゃった。君子は口下手であっても、行いは機敏にと願う。



【解説】

具体的に考えて見よう。例えば、部屋が散らかっていたとする。すると掃除しなければとなるわけだが、その掃除は何時始めるかと言う問題がある。どういう事かと言うと、今すぐに掃除を始めたほうが良い事は誰しも分かるはずだし、もし他人の部屋が散らかっているならば直ぐ掃除したほうが良いと言うだろう。だが、自分の部屋だと打って変わって、明日やれば良いと後回しにしてしまう人が意外に多いと思うのだ。しかも、明日になったらなったで、やらなくても良い用事を作りだしてしまう。掃除しなければならないはずだったのに、色々理由をつけては掃除をせず、結局何時まで経っても片付かない。人間らしいと言えば人間らしいのだが、出来る事なら掃除をしてしまいたい。そういう気持ちを表して「行いは機敏にと願う」と言う。そして、それが出来る人が君子なわけだ。

また、君子が口下手でも良い理由は、いくら掃除しなければならない理由を上手く取り繕っても、実際に掃除しなければ部屋は片付かないから。口を動かす暇があったら、掃除したほうが早い。なお、今回は掃除を例に説明したが、仁であれ、孝であれ、同じ事である。人の道に沿う行いは、やらない理由を探さずに行いたいものだ。



【参考】

立派な官僚という視点では、学而14の解説が参考になるだろう。

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