2016年5月28日土曜日

言霊

ある田舎に暴れてばかりの不良がいた。その母親は我が子の行く末を思うと気が気でならず、ある有名な占い師を訪ねたと言う。占い師は言った。お前の子は将来ヤクザになるであろうと。母親はその言葉にショックを受けたが、自分の胸にしまい子にはこう言ったと言う。占い師にお前を占ってもらった処、お前は大層出世するらしいよと。

暴れてばかりだった不良はその言葉に大変気を良くし、田舎から東京にでて、職人として修行を積んだ。そして、末は会社を作って大成功したと言う。これは、ヤクザになると言われた手を付けられない子供が、母親の暗示によって全く別の道を歩み成功したという話。母の言葉が言霊となり、息子を助けたのだ。



---- 以下、余談 ----

上の話は占いは当たるも八卦、当たらぬも八卦という話だが、言霊という話でもある。日本には言霊と言う言葉がある。話した言葉には霊が宿ると言う。言った事が実現しやすいのは、言霊のお陰なのだ。話した言葉に霊が宿るなら、良い言葉だけを選び話したいものだ。上の話は母の愛を示す良い話だと思う。占い師の言った事をそのまま伝えなかった処に、この母親の愛を感じる。

占いは当たるものでは無い。当てるもの。いや、当てさせるものなのだ。



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