2016年3月17日木曜日

受けた恩を忘れるな、売った恩は忘れろ。

恩という言葉が適切かどうかはさておき、人はひとりでは生きていない以上、誰かとの間に恩のやりとりが生じる。そこで重要な心構えがあるなら、受けた恩を忘れずに、売った恩を忘れることだろうと思う。これは、田中角栄の借りた金を忘れるな、貸した金を忘れろを自分なりに拡張した言葉になるが、至言ではないだろうか?

受けた恩を忘れるなは特に重要だ。人間は受ける時よりも、与えたときの印象が強く残る傾向があるため、受けた恩を忘れてしまうと恩知らずという烙印を押されてしまい安い。逆に売った恩のほうは忘れないといけない。相手が恩を返してくれないと考えてしまうようだと、催促して恩着せがましいとなる。恩の押し売りは格好悪い。売った恩は言われて思い出すくらいで調度よい加減なのだ。

例えば、食事をおごってもらったという極ありふれた場面を考えてみよう。食事をおごった側は、普通は特別な見返りを求めているわけでも無いし、相手が後輩や異性ならいい格好を見せたいだけの時もあるだろう。だから、おごった側は覚えてくれてるだけで嬉しい。食事をおごってもらったら2回はありがとうを伝えるべきで、食事の会計がすんだすぐ後に1回、そして次の日にメールで、もしくは後日会ったときの最初の挨拶でありがとうと伝えるのが良いとされる。2回目のありがとうは、恩を忘れていないと相手に伝えていると解釈して良いだろう。

自分は渡世人ではないが、一宿一飯の恩という言葉は感慨深い。人間という生き物の性質を良く捉えた言葉だと思う。

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