2019年1月21日月曜日

八佾 第三 20

【其の20】

子曰く、関雎かんしょは楽しみて淫せず、かなしみてやぶらず。



【口語訳】

孔子先生がおっしゃった。関雎は楽しみの中にも節度があり、せつなさの度が過ぎて傷つくほどでは無い。



【解説】

関雎は詩経に収められている詩の名前である。その詩を読んだ感想を述べているのが今回の一節である。加地伸行氏によれば、この詩は周の文王を謡ったものとの事だ。大まかな内容はこうだ。ある時、文王は花嫁を探していたが、なかなか見つからず、悶々とした日々を送っていた。その気持ちに皆が共感しのだろう。いつしか皆が文王に早く良い伴侶が現れてくれることを願っていた。そうすると、その願いが天に届いたのであろうか?次に文王を見かけると、伴侶と楽し気に暮らしているでは無いか。ああ、良かった。これで天下は安泰だ。こういう流れの詩であるため、古来中国では結婚式で良く謡われたようだ。詩の内容は、以下にリンクを這っておく。


日本語で楽しむ漢詩



■関雎の日本語訳(文王視点)


ミサゴが鳴いている。

河の中州に巣を作り。

しとやかな淑女よ、早く来ておくれ。

君こそ君子の良き伴侶さ。


長短ふぞろいのアサザ。

農夫が右に左にと掻き分ける。

しとやかな淑女よ、どこにいるんだい?

寝ても醒めても求めてしまうよ。


幾ら求めても現れない君に、

寝ても醒めても思いが募る。

ああ、どれくらい時間が経ったんだろう?

ああ、どれくらい時間が経ったんだろう?

僕に出来るのは寝返りだけさ。



長短ふぞろいのアサザ。

農夫が右に左に掴み取る。

しとやかな淑女よ、さぁ聞かせておくれ。

かたわらで琴と瑟を。


長短ふぞろいのアサザ。

農夫が右に左にむしり取る。

しとやかな淑女よ、さぁ楽しませておくれ。

君の太鼓は心地よい。






【参考】

1、関雎はミサゴの事。



ミサゴは夫婦仲が良い事から、結婚式では縁起が良い詩とされる。

夫婦仲が良い事が関関雎鳩と言う四字熟語になっている。



2、琴瑟相和すと言って、琴と瑟の音が良く合う事から、夫婦仲が良い事を琴瑟と言う。




上の画像が琴で、下の画像が古代の楽器である瑟となる。



【まとめ】

関雎はウフフが良く似合う。

0 件のコメント:

コメントを投稿