2018年8月13日月曜日

学而 第一 5

【その5】

孔子先生がおっしゃられた。大国の政治では、物事に対する敬いが大切であり、言った事は必ず守るようにすると良い。公費は節約に努め、民の負担は軽減してやる。民を土木工事などで使役する時も、農閑期にする等、時を選ばねばいけないね。



【解説】

普段、仁愛に基づく生活を送っているならば、そのまま政治を行えば良いと言う話と思われる。人は心だ。国を動かすのは人だ。ならば国の政治も心だ。こう考えて見ると、君子としての肝は普段から仁愛に基づいた生活をしているかどうかとなるから、君子は仁愛を重んじる。単純ゆえに真理か?


人 = 心 and 政治 = 人   

∴ 政治 = 心




大国の政治と言うと、なにか特別なことをしなければいけないと考えがちだが、当たり前のことを当たり前にすれば良いという話でもある。家庭内で反感を受けることは、国の政治でも当然のように反感を抱かれるという事で、結局家庭内をうまくまとめるように国の政治も行うのが良いと考えると分かりやすい。例えば、掃除をするとする。適当に掃除してしまうと、こんなんで掃除したと言えるのとなって、喧嘩の種がまかれる。だから物事は丁寧に行うのが良いとなるわけだ。例えば、日曜に娘と買い物の約束をしていたとして、当日にドタキャンしたとする。親としては仕事があって仕方がないとなるが、娘は約束を破られたとなる。一度くらいなら埋め合わせができても、何回も繰り返すなら娘は自分より仕事が大事なんだとなって親子の信頼関係にひびが入る。約束を守っておくのが一番だし、守れるか分からない約束ならしないほうが良いわけだ。例えば、自分が稼いだお金だと言って娯楽にばかりお金を使って、家庭にお金をいれなかったとする。すると奥さんと喧嘩になるだろう。そういう事が続けば互いに面白くないから、別に男を作った、女を作ったが始まる。そうなれば家庭は冷え切り離婚ともなる。家庭崩壊である。お金は節約につとめ、奥さんの負担を軽減してあげるのが良いのである。例えば、息子が一週間後に試験があると言って、勉強に励んでいたとする。その時に御使いを頼めば、息子は後にしてくれと言うだろう。その状況で怒られたりするものならば、息子は面白くないに違いない。ならば時をみて、試験が終わってから頼むのが良いのである。この話を家庭規模ではなく、大国規模で話していると考えれば良い。しかし、要点は同じというのが肝だ。




君子なれば民が暮らしやすい国を作るのが筋である。政治は節度をもって行われ、ルールがしっかりあり、それが守られている。役人が横暴に税を巻き上げる事もないし、無理難題を言って農作業の邪魔もしてこない。何て暮らしやすい国だろう。暮らしやすい国には当然人が集まる。人が集まれば町は活気がつき税収が増えるし、兵の徴兵にも事欠かないようになる。そして、人が集まるという事は、周りの国から人を奪っているという事にもなるから、他国との国力差は広がっていく。自動的に戦争のリスクも減り、戦わずして勝つ兵法の理想が実現される。民が暮らしに満足するならば、鬱憤から謀反に賛同する事もなく、その警戒へのコストも少なくてすむ。すると君主の機嫌も良くなるとなれば、良い事づくめである。




(語句の説明)

1、敬は慎み欺かない心という意味で、信は言行一致という意味であるから、「事を敬して信」は、物事において慎みをもち、民を欺かない。そして、言行一致を心がけるという意味になる。





【まとめ】

当たり前を大切に。





------  仏教の立場からの考察  ------

故・山本玄峰老子は掃除をしたさいにでるゴミまで丁寧に扱いなさいと言っていたそうだ。ゴミも仏様なのだから、と。こう機会あるたびに思い出すわけだが、実際やるとなると難しい。総じて言うなら、戒律を守れば後はついてくると言う事か。







0 件のコメント:

コメントを投稿