【口語訳17】
孔子先生がおっしゃった。賢者を見ては、見習う。愚者を見ては、内省する。
【解説】
一言で言えば、人の振り見て我が振り直せという話だが、何故そう言われるのかを少し掘り下げて説明しよう。優れた人になるには、優れた人の真似をするのが早い。出来れば優れた人と行動を共にし、その方の思考のパターン、所作を出来るだけ真似をする。そうしている内に優れた人とどんどん似通っていくから、当然ながら自分も優れた人にどんどん近づいていく。これを波長が合うと言う。優れた人と波長があうと、恐らく人間関係も変わり始める。人は波長の合わない人と一緒にいても居心地が悪いため、以前付き合っていた友人達とは疎遠になっていくのだ。以前付き合っていた友人達は、自分が変わる前の波長と合う友人達なので、自分が変わってしまえば考え方のあわない人達になるからだ。逆に言えば、友人が一新するような状況にならねば、自分が本当に変わったとは言えないと思っても良い。少々極端に感じるかも知れないが、普通の人が優れた人と波長を合わせればそういう結果を招くはずなのだ。そして、優れた人と同じ波長になった貴方には、同じく波長のすぐれた人達が新しい友人になってくれるようになる。優れた友人達に囲まれた貴方は、チャンスにも恵まれるようになり、自然と人生が好転していくだろう。
次に愚者を見て内省する理由だが、愚者と波長を合わせないためと考えても良いかも知れない。愚者の愚者たる所以は、波長が愚かであるにつきる。そのような者と行動を共にし同じ波長になってしまうなら、自分も愚者になってしまう。そうすると上記とは逆に、優れた友人達は去り、代わりに愚者の友人達が集まってくる。水は低きに流れ人は易きに流れるというように、賢者になるよりも愚者になるほうが簡単であるため、孔子が君子になるはずの貴方に警告を発したとも言えよう。愚者にならないための秘訣は、愚者を見た時、自分にも同じ部分がないかと内省する事に尽きる。そうする事で愚者は他山の石となり、ある意味では師とさえなるのである。優れた者だけでなく、愚者さえも師とできたなら、まさに盤石となろう。
なお、君子を立派な官僚として解釈するなら、賢者とは出世の糸口をつかんだ者、もしくは出世している者だ。実利で考えるなら見習うのは当然となる。愚者は逆に出世コースから外れた者、もしくは出世の糸口をつかめなかった者になるから、我が身の事として内省するのも当然となる。
孔子先生がおっしゃった。賢者を見ては、見習う。愚者を見ては、内省する。
【解説】
一言で言えば、人の振り見て我が振り直せという話だが、何故そう言われるのかを少し掘り下げて説明しよう。優れた人になるには、優れた人の真似をするのが早い。出来れば優れた人と行動を共にし、その方の思考のパターン、所作を出来るだけ真似をする。そうしている内に優れた人とどんどん似通っていくから、当然ながら自分も優れた人にどんどん近づいていく。これを波長が合うと言う。優れた人と波長があうと、恐らく人間関係も変わり始める。人は波長の合わない人と一緒にいても居心地が悪いため、以前付き合っていた友人達とは疎遠になっていくのだ。以前付き合っていた友人達は、自分が変わる前の波長と合う友人達なので、自分が変わってしまえば考え方のあわない人達になるからだ。逆に言えば、友人が一新するような状況にならねば、自分が本当に変わったとは言えないと思っても良い。少々極端に感じるかも知れないが、普通の人が優れた人と波長を合わせればそういう結果を招くはずなのだ。そして、優れた人と同じ波長になった貴方には、同じく波長のすぐれた人達が新しい友人になってくれるようになる。優れた友人達に囲まれた貴方は、チャンスにも恵まれるようになり、自然と人生が好転していくだろう。
次に愚者を見て内省する理由だが、愚者と波長を合わせないためと考えても良いかも知れない。愚者の愚者たる所以は、波長が愚かであるにつきる。そのような者と行動を共にし同じ波長になってしまうなら、自分も愚者になってしまう。そうすると上記とは逆に、優れた友人達は去り、代わりに愚者の友人達が集まってくる。水は低きに流れ人は易きに流れるというように、賢者になるよりも愚者になるほうが簡単であるため、孔子が君子になるはずの貴方に警告を発したとも言えよう。愚者にならないための秘訣は、愚者を見た時、自分にも同じ部分がないかと内省する事に尽きる。そうする事で愚者は他山の石となり、ある意味では師とさえなるのである。優れた者だけでなく、愚者さえも師とできたなら、まさに盤石となろう。
なお、君子を立派な官僚として解釈するなら、賢者とは出世の糸口をつかんだ者、もしくは出世している者だ。実利で考えるなら見習うのは当然となる。愚者は逆に出世コースから外れた者、もしくは出世の糸口をつかめなかった者になるから、我が身の事として内省するのも当然となる。
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