2020年1月14日火曜日

観音経 普門偈 その21

【原文】

具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼



【和訳】

一切の功徳を具え、慈しみの眼差しで衆生を視られる。その福聚は海のごとく無量である。是の故に頂礼にて応えなさい。



【解説】

観音様は何時でも慈眼をもって見守ってくださる。その功徳たるや海の如く無量に与えられるから、拝礼して受け取りなさい。この有難い言葉を素直に噛みしめると、観音経の醍醐味を味わえる。なお、前回まで説明してきた通り、観音様とは自分の事であり、他人の事であり、天地自然の事である。問題はそう気づけるかどうかであり、そう気づくならば、観音様は常に自分のために心を砕いている事が分かる。その親にも似た有難みを、福聚は海のごとく無量と言うのであろう。感恩の歌ではないが、あはれ同胞心せよ。こう考えて見ると、頂礼にて応じよというお釈迦様の言葉が良く分かる。




【語句の説明】

1、福聚は、幸福を招く多くの功徳と言う意味。

2、頂礼は、仏教における礼法の一つで、最高の敬意を示すとされるもの。具体的には、自分の頭を相手の足につけて拝するやり方。


0 件のコメント:

コメントを投稿